英語を読んで真似する「オーバーラッピング」でリスニング力・スピーキングを鍛えよう!

英語を読んで真似する「オーバーラッピング」でリスニング力・スピーキングを鍛えよう!

オーバーラッピングとは、英語の音声に合わせて英文を目で追いながら同時に発音も行う英語学習方法です。教材の選び方や音声再生機器などを工夫すれば、初心者から上級者まで手軽に練習を行うことができます。この記事でオーバーラッピングの手順や注意点、効果について十分理解し、日々の英語学習に取り入れてみてください。

オーバーラッピングで英語を練習したい!やり方を手順ごとに説明

オーバーラッピングで英語を練習したい!やり方を手順ごとに説明

オーバーラッピングとは、英語の訓練方法のひとつです。用意するものはCDなどの音声とスクリプト(印刷された英文)のついた英語教材だけなので、手軽に始めることができます。

オーバーラッピングではお手本となる音声を再生して聞きとり、英文を目で追いながら、更に音声と同時に(音声にかぶせるように)発音します。要はカラオケの英文音読バージョンのようなものです。

お手本のスピードに合わせて発音しなければならないので、学校英語でおなじみの音読(音声を一文またはワンフレーズ聞いた後に『リピートアフターミー』で発音する方法)に比べて負荷は高めです。

難易度が高い分、英語のナチュラルなスピードに慣れることができ、リズムや抑揚も身に付けられるというメリットがあります。

オーバーラッピングのコツその1:同じ教材で何度も繰り返し練習する

オーバーラッピングを活用して英語力を上げるためには、 同じ教材の同じページを何度も反復練習することが必須です。お手本の音声と同じスピード、抑揚、発音で英文を音読できるまで、最低でも10回は反復練習しましょう。

音声を耳で聞き取るだけなら数回繰り返せば十分かもしれませんが、口を英語のリズムと発音に慣らすには数十回の練習が必要になることもしばしばです。また、反復することで内容や意味の理解を助け、英文の構造やフレーズを応用する力もつきます。

「反復練習は面倒くさい、飽きる」と感じる人は、次で紹介する復習法を試してみてください。

オーバーラッピングのコツその2:自分の声を録音して聴いてみよう

オーバーラッピングで英文音読を練習する場合は、「自分の音声を録音して聴く」復習方法がおすすめです。

実際にオーバーラッピングを練習しているときは自分の音声にまで注意が向かないことが多いのですが、録音することで自分の発音を客観的に聞くことができます。お手本通りに発音できていない部分、つまりは自分の改善ポイントを見つけるのに役立つのです。

また、録音はモチベーション面でもおすすめの方法です。何度も反復練習し、その都度録音することで自分の上達を感じられるようにもなります。1回目、5回目、10回目と回を重ねるごとに録音すれば、成長を実感できるでしょう。

「反復練習は面倒だ」と考えている人でも、自分の成長を楽しみに頑張ることができます。

オーバーラッピングとシャドーイングの違いは?

オーバーラッピングとシャドーイングの違いは?

オーバーラッピング以外のトレーニング方法として、よく比較されるのがシャドーイングです。シャドーイングは英語の音声を聞き、その後で即復唱をする方法です。

オーバーラッピングが英文を目で追いながら発音するのに対し、シャドーイングでは文字情報に頼らず、英語の音声のみを頼りに英語を復唱します(練習段階でわからないときだけ英文を見る方法もあります)。

知らない単語は聞きとりや発音ができないので、全く英文を見ずにシャドーイングを行うには中級者以上に相当するリスニング力・語彙力が必要です。TOEICなら700点程度のレベルがほしいところでしょう。

初心者の方がシャドーイングに挑戦する場合は、オーバーラッピングで何度も練習した教材を使用するのがおすすめです。発音や文章の内容を理解した上で音声だけを頼りにどこまで復唱ができるか挑戦してみましょう。

オーバーラッピングの効果は?英語力はどう改善する?期待できる要素を紹介

オーバーラッピングとシャドーイングの違いは?

オーバーラッピングは「読む」「聞く」「話す」の3つの要素が組み合わさったトレーニング方法です。そのため、英語のリーディング・リスニング・スピーキングの3要素に効果が期待でき、3要素が結びついた形で知識を定着させることができます

ここでは、オーバーラッピングのトレーニングによってどう英語力が向上するのかを解説していきます。

リスニング:耳をネイティブの英語に慣らして聞こえる音を増やす

オーバーラッピングは音声に合わせて発音も行うので、ネイティブの話す自然なスピードやリズムに慣れることができます。英語を聞きながら発音を行うことで「どうやったら同じ音が出せるか」を意識することができるので、より集中して聞く練習ができます

また、音声を聞きながら文字を目で追うので、文字と音声を結びつけることができ、リスニングの側面からの語彙力強化も期待できます。

オーバーラッピングを繰り返し、レベルの高い教材に挑めるようになれば、TOEICなどで放送される英語の音声も以前よりはっきりと聞こえるようになるでしょう。

スピーキング:口の動かし方や発音・イントネーションを身につける

単語の発音だけでなく、抑揚や子音の消失、リンキング(連続して発音される単語の発音がつながって聞こえること)、間のとり方など、英語の特徴を口で体得できるようになります。

特に抑揚は、英語のコミュニケーションにおいては大きな役割を担っています。”Thank you.”と一つお礼を言うだけでも、言い方によっては皮肉のように取られることすらあるため注意が必要です。

英文の意味や状況などをしっかり理解し、話し手の立ち場や感情まで気を配りながら発音できると理想的です。

他のメリットとしては、発話することで語彙や文の構造なども記憶に定着しやすくなる点が挙げられます。オーバーラッピングを続けていけば、昔口ずさんだことのある歌がふと頭に浮かんでくるような感覚で、口をついて英語が出てくるようになりますよ。

リーディング:英語を英語のまま理解する練習に

オーバーラッピングを続けていると、英語を英語の語順のまま読むことができるようになります。

流れてくる音声にしたがって発音する必要があるため、頭の中で日本語訳をしたり、修飾語句がかかる部分を探して後ろから読んだり(いわゆる「返り読み」)することができないからです。

ーバーラッピングで読解力を向上させるコツは、読みながら状況を頭の中に描くことです。最初のうちは難易度が高いと感じるかもしれませんが、慣れてくるうちに英語の情報をスピーディーに処理できるようになります。

オーバーラッピングに使う英語教材の選び方

オーバーラッピングに使う英語教材の選び方

オーバーラッピングには英文と音声が一緒になった教材が必要です。最近ではCDやダウンロード音声のついた書籍も珍しくはありませんが、教材の難易度には十分気をつける必要があります。

使用している教材が学習者の英語力のレベルに合っていないと、学習を継続することが難しくなるためです。

教材が簡単すぎると技能の向上が望めませんし、何よりも退屈です。教材が難しすぎる場合は、途中で音声についていけなくなったり、「意味のわからない音声をただ棒読みしているだけ」になることもあるため注意が必要です。

自分の英語力と教材とのミスマッチを防ぐには、教材の中身に十分目を通すことが必須です。書店やインターネットなどで教材を選ぶときは、必ず中の英文を確認してください。「辞書や文法書がなくても文章の大部分が理解できて、知らない単語や構文がときどき出てくる」程度の教材が適切です。

オーバーラッピングにおすすめの英語教材おすすめ3選!

オーバーラッピングにおすすめの英語教材おすすめ3選!

オーバーラッピングの教材を選ぶときのポイントは次の2点です。

  • 英語の音声と英文スクリプトがセットになった教材であること
  • 自分の英語力に見合った教材であること

基本的には上記2点が満たされていて、ネイティブスピーカーの音声が収録されていればなんでもOKです。今回の記事ではおすすめの書籍・アプリをご紹介していますが、これ以外にも、関心のある分野や目標に応じて好きに教材を選んでみると良いでしょう。

できれば音声スピードを調整できる機能があると理想的です。お手本の話すスピードが早すぎる場合でも、速度を落として徐々に耳と口を慣らしていくことができるからです。

最近は音声の速度を調節する機能がついているスマートフォンのアプリもありますので、書店で書籍を吟味する時間がない人はアプリでの学習もおすすめです。

余談ですが、海外ドラマや映画などを教材として使用する場合は注意が必要です。場面によって言い淀んだり、わざと小声になったりすることもありますし、使用する場面がかなり限定されるスラングなどを含むこともあるため、必ずしも万人向けではありません。

ドラマや映画などを教材にする場合は、自分が英語を使うシーンに近い場面設定のものを選びましょう。

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング CD BOOK

中学校レベルの基礎的な単語・文法に絞って構成されており、オーバーラッピングの入門に最適です。ゆっくり発音する音声とナチュラルスピードの両方が収録されているので、内容が難しい場合は遅い音声からトレーニングしましょう。

書籍内では音読・リスニング・リピート・シャドーイングで1レッスンが構成されていますが、リピートの後にオーバーラッピングを加えてみましょう。

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TOEIC公式問題集

TOEIC公式問題集

・画像引用:楽天市場

「資格試験に備えてリスニング力・スピーキング力を伸ばしたい」という人は、試験の問題集を使うのもおすすめです。TOEICは多くの企業が英語力の評価に取り入れていますし、買い物や修理依頼などの日常会話や職場でのやりとりがベースなので実生活に応用もできます

初級〜中級レベルの人におすすめです。最初はリスニングパートのPart2で短めの対話文から練習し、口と耳が慣れてきたらPart3, Part4と長めの英文にシフトすると良いでしょう。

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スタディサプリ(アプリ)

スタディサプリ、app store、アプリ

・画像引用:App Store

TOEIC対策やビジネス英会話など、用途に合わせて選ぶことができます。速度は「速い・標準・ゆっくり」の3種類収録されており、ディクテーションやシャドーイングを支援する機能もついています

月額1,980円〜2,980円(消費税別)の課金制なので、長期間学習すると買い切り教材よりも価格が高くなる点に注意しましょう。

iOS版アプリの詳細はこちら Android版アプリの詳細はこちら

その他:Audipo(音声再生アプリ)

Audipo、アプリ

・画像引用:Google Play

録音した音声の速度を変更できるアプリです。0.25倍速~4倍速まで1%刻みで速度調整ができます。再生時に表示されるシークバーも大きく、「教材を0.1秒単位でシークしたい」「同じところを何度も練習したい」という場合にも便利です。

iOS版アプリの詳細はこちら Android版アプリの詳細はこちら

英語のオーバーラッピングが難しいと感じる人に試してほしい方法3つ

英語のオーバーラッピングが難しいと感じる人に試してほしい方法3つ

オーバーラッピングは様々な効果が期待できますが、それだけに負荷の高い練習方法です。これまでスピーキングやリスニングをしてこなかった人にとっては相当な難易度ですが、「難しすぎて続けられない」と諦めてしまうのはもったいないことです。

ここでは、オーバーラッピングのハードルを下げ、継続してトレーニングを続けるために試してほしい3つの方法を紹介します。「自分にはオーバーラッピングは難しすぎる」と感じている人は、ぜひ参考にしてください。

精読で意味・文法を徹底理解

オーバーラッピングをする前に、辞書や文法書を使って文章の内容を把握してください。全く新しい教材でいきなりオーバーラッピングをすることもありますが、これはネイティブの話すスピードに慣れている人や英語に自信のある人向けです。

英語も日本語と同じように「何か伝えたいこと」を伝達するためのツールです。内容を理解できなければ意味不明の単語の羅列と同じになってしまい、英語力アップにつながらなくなってしまいます。理解できなければ応用もできないので、せっかく練習しても「使える英語」として定着しません

スピードを落としてもOK

ネイティブの話すスピードが速すぎると感じたなら、最初は0.7〜0.8倍速で音声を再生しましょう。音声を耳で聞いて処理できていなければ正しい発音も身につかず、耳や口を鍛える効果も期待できません。

まずは自分がついていけるスピードで練習し、慣れてきたら徐々に再生スピードを上げていくようにしましょう。自分のペースで焦らずやることが継続のコツです。

スクリプトに集中する・音声に集中するを交互に繰り返す

目で文字を追うのと並行して音を聞き取っていると、「文字を追うのに夢中で発音まで気が回らなかった」「音声を真似するのが精一杯」ということもしばしば起こります。そんなときは1回練習するごとに注力する分野を絞ってトレーニングしてみましょう

「今回はリスニングに注力して、音をしっかり聞こう」「次はテキストをしっかり見て、内容を思い描きながら聞くぞ」というように、課題を明確にして反復練習するのです。

オーバーラッピングは3つの技能を組み合わせたトレーニング方法ですが、「絶対に3技能をバランスよく伸ばさないとダメ」ということはありません。人によって苦手な分野があって当然ですから、一つひとつ克服していきましょう。

オーバーラッピングを英語学習に取り入れよう

オーバーラッピングを英語学習に取り入れよう

今回の記事では、オーバーラッピングの概要と効果、注意点をご紹介しました。オーバーラッピングは教材費以外に費用負担がなく、学習素材と時間と場所さえ確保できれば誰でもすぐに始められるトレーニング方法です。

「読む」「聞く」「話す」の3技能を駆使するため難易度は少し高めですが、それだけに高い効果が期待できます。この記事を参考に、ぜひオーバーラッピングを普段の学習に取り入れてみてください。

ENGLISH MEDIA 編集部

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